つきじ窯について

有限会社 築地物産 住所:東京都日野市栄町1-3-14 作品について この作品は信楽の土を使い、薪を燃料とする最も古い形の窯である穴窯で焼き上げました 一度火を入れると絶やすことが出来ない穴窯では、三日三晩、80時間以上絶えず薪をくべ続け焼き上げます。 最初は小枝を焼き焚き火のような小さな炎から一日かけて1000度まで上げていきます。そこから窯鳴りと呼ばれる窯から出される音や炎、そして薪をくべる時の炉内の色と肌で感じ熱など、五感を使って炎を大きくしていきます。1200度の高温となった炉内は炎が激流のように焚き口から煙突へと流れることで作品にぶつかります。それはまるで激流の水が岩にあたり、うねり、流れを変えるように、複雑に炎が作品を挟み込み非対称の模様を作り上げていきます。 作品についた緋色は時には炎うねりを切り取り、また時には自然釉をまとい、目跡や貝目といった合理性の行為も炎の流れをより強調し景色に溶け込み時には荒々しく、時には優しく、同じ粘土とは思えないほど一つ一つが個性を持った作品となって焼き上がります。 土へのこだわり 陶芸の世界では昔から作品を仕上げるまでの工程を 《一、土、二、焼き、三、作り》と難しい順番で表現されていました。 しかし現代では粘土の精製や焼成技術の向上で作りから完成まで自動化になり、丈夫で扱いやすい陶器が大量生産できるようになりました。表情にも工夫がなされ、覆う色彩も土の色か釉薬の色か区別がつかないほどです。 つきじ窯では土の産地にこだわり、焼成はガス、電気窯に加え原点回帰のため、穴窯を2005年に築窯しました。 燃料も性格も違う窯で土に合わせた焼成を行い、土の特徴を生かした技法で造形を行なっています。土を中心にすることで盛られた表情ではなく塗り重ねた色でもない、土本来の色・表情・雑味などが生まれ、土を感じていただき、日常の景色に少しの色を付け、使い込むことで生活に馴染んでいただける作品を目指しています。 そして、土を生かすために《一、土、二、焼き、三、作り》の言葉はつきじ窯で今もしっかり生きています。 つきじ窯略歴 1994年 代表 本島幸雄 瀬戸窯業高等学校卒 1995年 東京都日野市に開窯、陶芸教室併設      主に美濃焼(織部、志野)に注力 2001年 本島一人 本島幸雄に師事 2004年 山梨県上野原市に穴窯を築窯 信楽焼きを手掛ける 2015年 萩にて研修 御本手はじめ粉引きを手掛け現在に至る 2021年 本島幸雄 死去      本島一人 代表を就任